除夜の鐘とは?
「除夜の鐘」とは大晦日の夜に寺院の梵鐘をつく日本仏教行事の一つです。除夜というのは大晦日の夜のことであり、鐘は寺院にある梵鐘のことです。
お寺では除夜法要や除夜会(じょやえ)と呼ばれ、一年の感謝を込めて行われます。
もとは、中国・宋の時代の末期の頃に始まった鬼はらいの儀式で日本には鎌倉時代に伝わったといわれています。鎌倉時代といえば、鎌倉新仏教(浄土宗、浄土真宗、時宗、法華宗、臨済宗、曹洞宗)が日本に伝わった時代にあたります。
なぜ108回?
多くの寺院では除夜の鐘を108回つきます。この108という数字にはさまざまな説があります。ここでは代表的な説を書いておきます。
1.煩悩の数(掛け算)
一つの説は、煩悩を引き起こす元である「六根」、煩悩によって引き起こされる感情「好」「悪」「平」、それぞれの感情についての「染」「浄」、過去現在未来の「三世」、これらをそれぞれかけると6*3*2*3=108となるという説です。
六根の“根”は感覚器官などの感じる力を意味し、眼(視覚)・耳(聴覚)・鼻(嗅覚)・舌(味覚)・身(触覚)・意(意識)の5つの感覚と意識をまとめて六根と呼びます。
2.一年を表す(足し算)
もう一つの説は一年を表しているというものです。
一月〜十二月の12、立春や夏至などの「二十四節気」の24、二十四節気をさらに細かく分けた「七十二候」の72、これらを全て足すと12+24+72=108となるという説です。
七十二候は、二十四節気の各節気をさらに約5日ずつの3つに分けた期間のことです。
また、寺院によっては200回以上つくところもあるといわれています。さらに日本以外では韓国でも除夜の鐘がおこなわれており韓国の除夜の鐘の回数は33回という点が特徴的です。
除夜の鐘の時間は?
除夜の鐘は大晦日から元旦にかけて深夜0時を挟んで行われるとされています。
開始時刻や終了の時間については寺院によって大きく異なります。除夜の鐘は鐘の余韻(1回1回の間隔)が終わってから次の鐘をつくこのになっているのですが、鐘の大きさによって余韻の長さが変わります。余韻のながさが十数秒のところもあれば数分のところもあり、それが108回も積も重なるととても大きな差になってきます。そのため、寺院に直接聞いてみると確実でしょう。
参考として、大きい鐘ほど余韻が長くなる傾向にあります。
除日の鐘?!
除日の鐘とは深夜に行っていた除夜の鐘を昼間に変えるというものです。
理由は除夜の鐘が深夜の騒音に感じる方への配慮です。
寺院も時代に対応した形式に変わることが求められる時代になりました。
確かに仏教に興味ない方からしたら除夜の鐘は睡眠を妨害するものでしかないですからね。笑
除夜の鐘のつきかた(マナー)
鐘をつくのは参拝する前がよいとされています。
まずは、鐘の前に行き鐘に向かって合掌・一礼します。そして、前の鐘の余韻がなくなるまで待ちましょう。次に鐘をつくための撞木(しゅもく)についた紐を後ろにひき鐘にあてます。このとき、願い事や一年の感謝を心に念じます。最後に、鐘に向かって合掌・一礼します。
一度鐘をついたら次の人に譲りましょう。
また、強く叩きすぎないことが大切です。鐘にヒビが入って壊れてしまう可能性があるからです。しかし、下の動画のように鐘の大きさに応じた強さやつき方があるようです。
当寺院ではないですが、この鐘は70トンもの重さがあり17人がかりで鐘をつきます。
注意点
寺院によっては除夜の鐘をつくことに予約が必要なところや有料なところもあるので事前にチェックすることをお勧めします。
参考:じゃらん
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長谷寺では
私たち長谷寺では2023年は除日の鐘を行います。
徐日の昼間の鐘なので除日の鐘です。 当寺は小さな鐘が本堂内にあります。
一年を振り返って鐘をたたき、ご一緒にご先祖様へのご挨拶をしてみませんか?
当日は温かい汁物を準備しています。
鐘をたたくことができます。
お気軽にお越しください。
2023年12月31日 12:00~15:00(昼間)
都合の良い時間にどうぞ!