坐禅について、実際によくいただく質問をまとめました。お答えするのは、曹洞宗 長谷寺の住職 加藤英宗です。作法の細かなところは宗派やお寺によって異なりますので、ここでは曹洞宗の坐禅を中心にお答えしています。
Q.
背筋を伸ばして坐り、呼吸を整え、心を落ち着けていく仏教の修行法です。曹洞宗では、坐ること自体を目的とする「只管打坐(しかんたざ)」の立場をとります。何かを考えたり、無理に無になろうとしたりする必要はありません。
目的の置き方が違います。マインドフルネスはストレスの軽減や集中力の向上といった効果を目的に行われることが多いのに対し、曹洞宗の坐禅は効果を求めず、ただ坐ることそのものを大切にします。姿勢と呼吸を調える点は共通しているため、坐禅は「効果を目的としない瞑想」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
曹洞宗では効果を目的としませんが、結果として心が落ち着くことはあります。多くの刺激に囲まれた日常から離れ、呼吸という最も静かな動きに意識を向けると、食事の味や香りを感じやすくなったり、仕事や読書の集中が続きやすくなったりします。参加された方からは「考えごとの量が減った」という感想をよくいただきます。
曹洞宗と臨済宗で作法が異なります。曹洞宗は壁に向かって坐る「面壁(めんぺき)」で、ただ坐る只管打坐です。臨済宗は堂の中央を向いて坐り、「公案」という問いに取り組みます。肩を打つ棒の読み方も、曹洞宗は「きょうさく」、臨済宗は「けいさく」です。
両足をそれぞれ反対の腿の上にのせる「結跏趺坐(けっかふざ)」が正式ですが、片足だけをのせる「半跏趺坐(はんかふざ)」でも構いません。どちらも難しい場合は、椅子に坐って行う椅子坐禅で問題ありません。無理に組むと足を痛めますので、ご自身が続けられる形を選んでください。
「法界定印(ほっかいじょういん)」という形を結びます。右手を下にして両手を重ね、両方の親指の先を軽く合わせて、卵をひとつ包むような楕円をつくります。親指が離れていたら心が緩んでいる、強く押し合っていたら力んでいる、という目安になります。
閉じません。目を閉じると眠気や妄想が起きやすくなるため、半分開いた「半眼」のまま、1メートルほど先の床に自然に視線を落とします。何かをじっと見つめる必要はありません。
鼻からゆっくり吸い、ゆっくり吐きます。坐り始めに口から大きく息を吐ききる「欠気一息(かんきいっそく)」を行い、あとは自然な呼吸に任せます。落ち着かないときは、吐く息を心の中で一から十まで数える方法もあります。
線香が一本燃える間をひと区切りとし、これを「一炷(いっちゅう)」と呼びます。経験者は40分です。初心者は説明の時間があるので、30分程度となります。
坐禅中に僧侶が肩を打つ、扁平な棒のことです。罰ではなく、姿勢の乱れや眠気を調えるための励ましで、僧侶が仏の代理として行います。曹洞宗では合掌して受け、打つ側と打たれる側が互いに礼をします。行うかどうかは坐禅会によって異なり、希望者のみとするところや、行わないところもあります。
失敗ではありません。考えが浮かぶのは自然なことで、消そうとするとかえって強くなります。浮かんだことを追いかけず、呼吸に意識を戻す。それを繰り返すこと自体が坐禅です。
不安をなくそうとすると、かえって強くなります。取り除こうとせず、そのまま放っておくことが大切です。禅には「放下著(ほうげじゃく)」、気にせずそのままにしておく、という言葉があります。
持ち物は基本的に必要ありません。服装は、足を組みやすいゆったりとしたものがおすすめです。タイトなスカートや厚手のジーンズは足を組みにくく、坐っている間につらくなります。坐禅の際は靴下を脱いでいただきますので、脱ぎ着しやすいものだと安心です。
お寺によって異なりますが、無料から2,000円程度が一般的です。多くは「志納料」として、お寺への志を納める形をとります。長谷寺の坐禅会は1,000円です。
長谷寺では、毎月末の友引前日の夜に坐禅会を開いています。予約は不要で、志納料は1,000円。椅子坐禅にも対応していますので、足を組むのが難しい方もご参加いただけます。宗教・宗派は問いません。
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