原稿01

豊田佐吉

百の苦難を耐え忍び、千の訓練で鍛えれば、どんなことでも成し遂げられる。

百忍千鍛事遂全

百回挫折しても、くじけずに立ち向かう

百折不撓


先に歩まれた先人の智慧がお経という形で残されているのは寺院です 博物館や記念館も同様に先にその道を歩まれた智慧が記録されています。

思い立って名古屋にある、トヨタ産業技術記念館に行ってきました。出発が午前9時をすぎてしまっていたので、現地到着が13時。それから閉館の17時まで見学を続けたのですが、内容が濃すぎて全てみることはできませんでした。

歴代の車両や、クルマの製造工程や、部品の作り方を分かりやすく説明してあるのですが、一番心に残ったのは、布を織る機械を製造する会社だったということ。そして最初に特許を取得したのが片手で簡単に操作ができる木製人力織機だったということです。

今年になって初めてハイブリット車を購入しました。まあ9年経過した中古車ですのでバッテリーも劣化していると思うのですが、走りながらの充電風景を見ていると楽しい。エンジンで発電もしながら走行。速度を落とすときには、エンジンが止まってブレーキと同時にモーターで電気として回収。電気が貯まるとモーターだけで発進できたり、強めに発信したらエンジンの力も加勢したりするのを、何も気づくことなく裏方さんとしてもくもくとこなしている。コリャ凄い。と思って、ルーツでもあるトヨタ産業技術記念館に行ってきました。記念館の中は時代の流れに沿って展示されていて、後半は現代の車づくりを見る事ができます。

ご存知の方も多いように、トヨタ自動車のはじまりは豊田織機という布を織る機械を製造する会社です。この記念館で一番、心に残ったのは1890年に発明し特許を取得した「豊田式木製人力織機」。布の品質も出来上がる時間も労力も改善されました。ハタオリを内職していた母親を楽させたいと考え豊田佐吉さんが完成させました。その6年後には機械式の機織り機が完成しているそうで、おそらくこれが現在の高品質自動車の基になっているのではないかな?と感じました。 豊田式木製人力織機は、片手と両足で織り続けることができることよりも、金属のネジを使うことなく、ほぼすべて木製で作り上げてあり、完成された構造を見ればナルホド自分でも作ることができる! と思えてしまうのですが、構造を考え実際に組み立てる。そしてだれでも安定して織り続けることができて、現在でも実際に織って見せてくださることに感動しました。

 お釈迦様が悩み、考え続け、実際に行ってみて、気づいた方法。それが現代では仏教という表現になっています。お医者様のように個々の悩みに即して教えを説かれましたので現在は宗派に分かれてその教えが説かれています。こと曹洞宗においては、禅。しずかに坐り、自分自身を見つめること。基本に立ち返って、お釈迦様同様に坐り行い、悩みとは何かを私達も考え、自分で納得して生き切る。

ハイブリット車の構造にたどり着くまでに多大な努力と改善と熱意を、見る事ができるように、私達も今の自分にむきあい、日々を大切に重ねていきたいと思いました。

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